- 日替わりコラム
Wed
3/20
2024
災害の断水時には、水道水で手を洗うことができません。トイレも流せなくなり、懸念されるのはノロウイルス感染症です。東日本大震災では福島県の大規模避難所で嘔吐・下痢症の集団発生がありました。発災約1か月後に発症者のピークを迎え、約2500人の避難者のうち212人が、ノロウイルスが原因と考えられる嘔吐・下痢症になったのです。初めはどこからか避難所に持ちこまれ、人から人へ感染が広がったと推定されました。主に排泄物がなんらかの経路で手指に付着し、食品を介して口に入ったためと考えられます。感染拡大の原因は、流行初期に各階が過密状態で、汚物や汚染物の処理が不適切だったこと、手指衛生が十分に守られていなかったこと、当初のトイレ清掃が不十分だったことなどが挙げられています。
避難所・避難生活でのノロウイルス感染症の予防方法は次のとおりです。(1)手洗い・手指消毒の徹底:断水時は、手指消毒剤の使用やウェットティッシュによる拭き取りが有効です。(2)手洗い方法の掲示:ポスターは手洗いを意識させる効果があります。(3)トイレの定期的な清掃:午前2回、午後2回、夕方1回の1日5回が目安です。(4)保健係の配置:グループごとに健康状態を把握する保健係を置き、早期の発見につなげます。
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オフィス環監未来塾 代表中臣昌広
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