- 日替わりコラム
Fri
4/19
2024
肥満の猫は脂肪肝(肝リピドーシス)の予備軍です。
猫の食物の大半はタンパク質ですから、ストレスなど何らかの原因により食欲不振になると一時的にタンパク質不足になります。タンパク質が不足すると体内の脂肪の代謝が阻害され、過剰な脂肪が肝臓に蓄積し、脂肪肝を発症します。食べすぎなどが原因によるヒトの脂肪肝とは異なり、猫は食べないことで脂肪肝になるのです。その理由はまだ詳しくわかっていませんが、太った猫が1日半以上絶食すると脂肪肝になる可能性が高まり、危険だといわれています。ですから、減量のための絶食は絶対にしてはいけません。
肥満の猫はあまり動きません。動かない動物の筋肉は衰えます。特に動くために大事な4本の足の筋肉が衰え、痩せていきます。筋肉が減少し、カロリーをそれほど必要としなくなるため、太っているわりにはあまり食べません。
肥満の猫が痩せるために必要なのは運動です。猫は虫のような動きをするものを捕まえようとします。虫の代わりにドライタイプのキャットフードを1粒投げ、猫に追いかけさせましょう。これを繰り返せば、運動しながら・食べながら痩せることができます。ただ「可愛い」と愛でるだけでなく、猫の狩猟本能を刺激することも大切です。
井本動物病院 院長井本史夫
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