- 日替わりコラム
Tue
4/23
2024
作業前の手洗いは石けんを使い、工場で決められた手順どおりに実施します。その際、ものに触れるところ、つまり手のひらや指を洗うことに一生懸命になりがちです。しかし実際には、手の甲や爪、手首など、無意識のうちに手全体を使ってさまざまなことを行っています。洗いやすい場所だけではなく、汚れが付きやすい個所も意識し、洗い残しのないようにしなければなりません。特に爪は、塵や有機物、脂肪物など栄養に富んだ”ゴミ“が積もり、雑菌の絶好の棲家になります。爪を切るといった日常的な手入れに加えて、専用のブラシを使用し爪の溝まで洗うなど、手洗いの効果を上げることが重要です。
そして、手洗いの後にはすすぎを十分に行うことも重要です。すすぎが不十分であると、洗剤や汚れをすべて落とし切れず、手洗いする前より不衛生になることがあります。手のぬめりや洗剤の泡が感じられなくなるまで、流水で20秒以上すすぎましょう。
水に濡れた手は、乾いた手に比べて雑菌が付きやすい状態になっています。また手を殺菌する際に、手に水分が残っているとアルコールなどの殺菌剤の濃度が薄まり、その効果を十分に発揮することができなくなります。すすぎの後には、ペーパータオルやハンドドライヤーなどで十分に水気を除去しましょう。
イカリ消毒編『食品工場必携 食品衛生べからず集』(2009年発行)改編
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