- 日替わりコラム
Fri
4/26
2024
古今東西、多くの女性を魅了してきたダイヤモンド。ペットの犬や猫を火葬した遺骨からダイヤモンドを造る技術を開発し、お守りや装飾品にしたペットメモリアルが注目されています。
天然ダイヤモンドは、地球の深部で長年の高温高圧により結晶化した鉱物ですが、近年、人工ダイヤモンドの製造技術の研究が進み、人為的な高温高圧の環境下で黒鉛を結晶化させてダイヤモンドにする技術や、炭素を蒸気化させた化合物の気体からダイヤモンドを造る方法が確立しています。硬さの特性から、刃物や研磨材に利用されています。
ペットメモリアルの合成ダイヤモンドを開発したのは、オールテック株式会社の白倉昌さんです。白倉さんは大手飲料メーカーで容器の内側をダイヤモンド硬質薄膜にする研究をしていた時に愛犬が亡くなり、犬の焼骨からダイヤモンド合成のメモリアルを造ることを考えました。ダイヤモンドは炭素が結晶化したものです。そこで焼骨から炭素成分を抽出し、プラズマ中で蒸気化したダイヤモンドを合成して、基材となるサファイアの表面にベール状に堆積させるという方法で、人工ダイヤモンドを造りました。それをお守り袋に入れたり、ペンダントに加工したりしてメモリアルにするのです。従来の高温高圧法に比べて製作時間は大幅に短縮し、コストは10分の1でできます。
一般社団法人 発明学会 顧問平井工
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