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Wed
7/17
2024
英エクセター大学医学部のアン・コルベット博士らの研究チームは、『International Journal of Geriatric Psychiatry』誌において、楽器の演奏や歌唱は、高齢者の脳に良い影響をもたらすという研究成果を発表しました。
脳の老化や認知症発症の要因を解明するための研究の一環として、40歳以上を対象に、演奏、歌唱、読譜、音楽鑑賞、音楽的能力についてインターネットを使った質問調査を行い、1年に3回以上の認知機能テストの追跡調査が可能な1570人から回答を得て、解析を行いました。対象者の89%が楽器演奏の経験者で、うち44%が調査時も楽器演奏を続けていました。楽器演奏、特にピアノやキーボードなどの鍵盤楽器の演奏と作業記憶の良好なパフォーマンスとの関連性が高く、高齢になっても演奏を続けている人のほうが効果の大きいことがわかりました。また歌を歌うことも効果的で、合唱団やグループなどに参加することで実行機能が向上したとみられると述べています。ただし、単に音楽を聴くだけでは、認知機能予備力の増強は確認されませんでした。
コルベット博士は、「私たちは音楽に関わりを持ち続けることが、認知予備能として知られる脳の敏捷性(びんしょうせい)と回復力を養う方法だと考えている」と述べています。
参考:https://www.carenet.com/news/general/hdn/58032
https://amass.jp/172718/
https://newsphere.jp/national/20240207-2/2/
介護福祉士中村和彦
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