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8/2

2024

誌上でめぐる世界の恐竜化石(19)北米大陸

 背中に大きな板状の骨が並び、尻尾の先からはスパイク(トゲ状の突起)が突き出しているステゴサウルスは、約1億5000万年ごろのジュラ紀後期にアメリカの西部に生息していた、全長7~9mの草食恐竜です※ 。ステゴサウルスという学名は、1877年、アメリカ北東部コネチカット州にあるイェール大学のオスニエル・C・マーシュ(1831~1899)によって命名されました。マーシュは、板状の骨が背骨の上を覆っているような特徴から、ステゴ(覆う)+サウルス(爬虫類)と名付けたとされています。アロサウルスのような肉食恐竜も上から攻撃しにくかったでしょう。大きな板とトゲは、成熟した個体であることを仲間に示す役割もあったでしょう。板の表面の血流量が多く、板に風を当てることで、体温を下げる効果があったと考えられています。
 イェール大学のピーボディ自然史博物館には、ステゴサウルスの実物化石の骨格が長年展示されていました。博物館がリニューアルされ、ステゴサウルスの新しい全身骨格が2024年3月に公開されました。私がイェール大学大学院の学生だった頃は古い展示で、尾の先端のスパイクの本数が多すぎたり、喉の骨質のウロコも復元されていませんでした。アメリカ東海岸に行く機会があったら、新しいピーボディ自然史博物館にもちょっと足を伸ばしてみてください。

※ 国立科学博物館には、ワイオミング州で発見された実物化石を組み立ててつくった全身骨格が展示されている(https://db.kahaku.go.jp/exh/col_z1_01/2975621)

独立行政法人 国立科学博物館 副館長・研究調整役真鍋真

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