- 日替わりコラム
Wed
8/7
2024
私が勤務していた中央区保健所は、由緒ある保健所のひとつでした。昭和12年に旧保健所法が制定されていますが、それ以前の昭和10年に東京市特別衛生地区保健館として誕生し、その後ロックフェラー財団が旧保健所庁舎を寄贈したそうです。保健所の目の前には、地下鉄サリン事件で有名となった聖路加国際病院がありますが、この病院を寄贈したのもロックフェラー財団で、その建設資材を利用して建設されたのが、日本の都市型保健所の第一号である中央区保健所だそうです。今も、中央区保健所の玄関脇に小さなレリーフが掲示されています。残念ながら旧庁舎は昭和56年に解体されてしまいましたが、階段の手すりにアンモナイトの化石があるような重厚で立派な建物でした。聖路加国際病院も平成4年に新築されていますが、重厚感のある礼拝堂は今も健在です。
戦後、昭和22年に保健所法が制定されましたが、平成6年には地域保健法に名称を変えています。平成元年には800か所以上の保健所がありましたが、行政改革により統廃合が進められ保健所も減少しています。保健所は、地域保健法第5条により都道府県、政令指定都市、中核市、特別区などが設置することとされていますが、令和6年4月現在、全国157自治体に468か所の保健所が配置されています。
元保健所食品衛生監視員小暮 実
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