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Wed

10/2

2024

誌上でめぐる世界の恐竜化石(20)日本・甑島(こしきしま)列島

 鹿児島県薩摩川内(さつませんだい)市の沖、東シナ海に浮かぶ甑島列島には、今から約8000万年前(中生代白亜紀)から4000万年前(新生代古第三紀)に堆積した地層などが海岸に崖をつくっています。島と島をつなぐ橋などを渡る30分ほどのドライブで、約4000万年間のタイムトラベルをしたような気分になります。白亜紀の地層からは、陸で暮らしていた恐竜や哺乳類などの化石、海を泳いでいた海生爬虫類モササウルス類などの化石が発見されており、それらを調査研究して展示する「甑ミュージアム」を2025年4月にオープンする準備が進められています。断片的ながら、いろいろな種類の生物の化石が発見されていますが、白亜紀に推定全長十数メートルの竜脚類恐竜がいたことに驚かれる方がいます。小さな島にそんな大きな恐竜が生息できたのかと疑問に思うからでしょう。
 現在、北海道から鹿児島県までの1道18県から恐竜の化石が発見されていますが、中生代の日本はまだ日本海がなく、アジア大陸の一部でした。当時の日本は大陸の海岸のような場所だったはずです。現在の甑島列島は、その大陸の地層が東シナ海からちょこっと顔をのぞかせているようなものなのです。私は、甑島の海岸に座って、中生代白亜紀にこのあたりを歩いていた恐竜たちに想いを馳せるのが大好きな時間です。

独立行政法人 国立科学博物館 副館長・研究調整役真鍋真

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