- 日替わりコラム
Mon
10/7
2024
東京都薬用植物園の民間薬原料植物区で栽培しているゲンノショウコを紹介します。センブリ、ドクダミと並ぶ日本三大民間薬のうちのひとつで、医薬品の規格基準書である『日本薬局方』に収載されています。地上部が整腸薬として用いられます。江戸時代から民間療法で利用されていて、服用すると確かに効き目が表れることから「現の証拠」といわれていました。
ゲンノショウコは、北海道、本州、四国、九州の平地に自生しています。茎の長さは30~60cmです。7月~10月に花が咲きます。花の色は、東日本は白色、西日本は紅紫色のものが多いようです。果実は、鳥のくちばしのように細長く、熟すと果皮がくるりと反り返って、反動で種がはじき出されます。その状態がお神輿(みこし)の反り返った屋根に似ていることから「神輿草」ともいわれています。
葉の形状は、手のひらのような形をしています。有毒植物のトリカブトの葉とよく似ているため注意が必要です。見分け方は、ゲンノショウコの葉には毛がありますが、トリカブトの葉は毛がほとんどありません。ゲンノショウコは葉柄(ようへい)の付け根に線形の托葉(たくよう)がありますが、トリカブトにはありません。また、ゲンノショウコの根は髭のような細かな根ですが、トリカブトの根は紡錘形の塊根です。
↓東京都薬用植物園「ゲンノショウコとトリカブト類(有毒)」の見分け方はこちら
https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/lb_iyaku/plant/yudoku-top/gennosyouko-hp-m/
東京都薬用植物園 主任研究員中村耕
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