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Thu
10/17
2024
厚生労働省食中毒部会の報告によれば、令和5年の食中毒発生は事件数1021件、患者数1万1803名、死者4名で、平均患者数は12名/件です。事件数トップ3は、アニサキス432件(42%)、カンピロバクター211件(21%)、ノロウイルス163件(16%)で、その患者数は、アニサキス441名(4%)、カンピロバクター2089名(18%)、ノロウイルス5502名(47%)となっており、ここ数年同様の傾向が続いています。アニサキス食中毒は、シメサバなど鮮魚由来の寄生虫アニサキスを食べて急性胃腸炎症状を呈し、医療機関での胃カメラにより判明する事例が多く、そのほとんどが患者数は1名です。逆に、ノロウイルスでは、ウイルスを保有した調理従業者が調理したものを喫食したことによる事例などが多く、集団発生(平均患者数34名/件)となっています。カンピロバクターについては、相変わらず鳥刺しや加熱不足の鶏肉による事件が多く報告されています。
なお、患者数500名以上の事件では、8月の流しそうめんによるカンピロバクターの事件(892名)、9月の海鮮弁当による黄色ぶどう球菌・セレウス菌による事件(554名)が報告されています。食中毒による死者4名は、ロタウイルス、病原性大腸菌、サルモネラ属菌、毒きのこの誤食によるものでした。
元保健所食品衛生監視員小暮 実
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