- 日替わりコラム
Thu
10/24
2024
食品の原材料表示に使われている原材料名の中に、消費者が日常では使わない言葉が出てくることがあります。たとえば、カゼイン、卵殻粉、乳化剤などについて、一般の人は「詳しくは知らない」場合でも、スルーして問題なく過ごせます。一方、食物アレルギーがある人の場合は「詳しく知らない」ので、安全のためにとりあえず避けるという人もいます。
乳化剤は乳成分と関係ありません。ただし、乳化剤がレシチンの場合、大豆アレルギーの人にとっては注意が必要です。卵殻粉には卵白や卵黄は含まれていませんし、アレルゲン性もありません。また、カゼインは全粉乳や脱脂粉乳より乳タンパクを多く含んでいるため、乳成分がアレルゲンの人は特に注意しなければならないのですが、そのことを知らない患者さんもいます。タンパク加水分解物※ は、アレルゲン性はないとされていますが、まれに発症事故があるため、「何の」タンパク加水分解物なのか個別に表示されるべきです。しかし残念ながら、アレルギー表示の個別表示はなかなか進んでいません。
食品企業にとっては当たり前に使われている言葉でも、日々新たに消費者となる人が生まれている(新しく患者になる人もいる)と考えて、説明や啓発を続けてくださることを願っています。
※ 小麦や肉などを原料とする食品素材。食品にうま味やコクをつけるために使用される
認定NPO法人 アトピッ子地球の子ネットワーク赤城智美
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