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Wed

12/4

2024

アニサキス症とアニサキスアレルギー

 厚生労働省の統計では、平成30年に初めてアニサキスによる食中毒事件数がトップとなってから、令和5年までずっとトップの発生数となっています。事件数が増えた理由については、(1)気候変動による魚介類への寄生の変化、(2)シメサバなどの喫食機会の増加、(3)芸能人などの罹患がSNSで注目、(4)診察した医師の届出の増加、などが推察されます。国立感染症研究所の研究者が胃カメラなどの診療報酬明細書のデータを解析したところ、患者数は約2万人と推計されています。アニサキスはサバだけでなく、アジ、ヒラメ、カツオなどさまざまな鮮魚に寄生しており、予防方法として事前に冷凍処理するよう指導されています。多くの場合は、胃痛などの急性胃腸炎で救急搬送され、胃カメラによりアニサキス虫体を除去することにより治癒します。
 治癒後にアニサキス(加熱や冷凍したものを含む)を再摂取することにより、かゆみ・湿疹やアナフィラキシー症状を呈するアニサキスアレルギーも課題となっています。患者さんの中には、刺身や焼魚だけでなく出汁や魚エキスにも反応してしまい、自由に食事ができなくなってしまう方もいます。そのため2021年にアニサキスアレルギー協会(AAA)が設立され、アレルギーに関する情報提供やHPなどを通じた患者同士の交流などが行われています。

元保健所食品衛生監視員小暮実

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