- 日替わりコラム
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2/7
2025
便秘薬は大きく分けて2種類あります。1つは便の水分を増やして大腸にやわらかい便が流れるようにする薬、もう1つは大腸の動きを活発にして便が出やすくする薬です。
便の水分を増やす薬の代表格は酸化マグネシウムです。これは市販薬としても販売されており、薬局で購入できます。腸の内側と外側でのマグネシウム濃度の違いを薄めようとする性質(浸透圧)によって、腸の外側から内側に水分が引き寄せられ、便がやわらかくなります。やわらかい便が大腸に流れることで腸の動きが良くなります。この10年ほどで病院で処方可能となったアミティーザやリンゼス、モビコールといった薬も、異なるメカニズムですが、腸に水分を保持して便をやわらかくしてくれます。
一方、腸の動きを活発にして便を出やすくする薬もあります。センノシドやダイオウ、アロエ、キャンドルブッシュなどが含まれています。薬の力で腸を動かすので速く、強力に効きます。市販の便秘薬の多くはこちらで、刺激性下剤とも呼ばれます。刺激性下剤は夜に服用すると翌朝にすっきりと出ることが多く、調整がしやすいです。しかし、長く服用を続けるとクセになり、飲まないと腸が動かなくなってしまうので、どうしても出にくいときにだけ飲むのがお勧めです。
南流山内視鏡おなかクリニック 院長前田孝文
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