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2/14
2025
医学雑誌『ランセット』は、2020年に発表していた認知症の修正可能な危険因子12項目(教育機会の不足、頭部外傷、運動不足、喫煙、過度の飲酒、高血圧、肥満、糖尿病、聴覚障害、うつ病、社会的孤立、大気汚染)に、新たに「視力低下」と「高LDLコレステロール」を追加した14項目を発表しました※ 。
発表では、年齢別のリスク因子と、修正によるリスクの減少の程度について(1)18歳まで、(2)18~65歳まで、(3)65歳以降の3つに分けて示しています。
まず、18歳までに修正すべき危険因子として教育機会の不足を挙げ、それを解消することで認知症の発症リスクを5%下げる効果が期待できるとしています。また、18歳から65歳までの時期は、聴覚障害、高LDLコレステロール(悪玉コレステロール)のリスクを修正することでそれぞれ7%、以下うつ病、頭部外傷が各3%、運動不足、糖尿病、喫煙、高血圧が各2%、肥満、過度の飲酒は各1%認知症の発症リスクが減少するとしています。65歳以降の場合は、社会的孤立が5%、大気汚染が3%、視力低下が2%です。そして、これらを合わせると45%になり、すべての危険因子に対し修正を行うことができれば、認知症発症の45%が回避できる可能性が示唆されました。
※ Livingston G, et al. Lancet. 2024 Aug 10; 404(10452): 572-628
介護福祉士中村和彦
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