- 日替わりコラム
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2/24
2025
食物アレルギーがある人に誤食経験の聞き取りをすると、弁当店や惣菜店でトングを使って消費者が自分で食品を取る場面や、ホテルなどの立食会場で症状が出た経験を話す人がいます。これは食品それぞれにトングを置いていても、使い分けが利用者に任されているので「トング経由の混入」の可能性も高いと考えられます。
店員が惣菜を容器に入れてくれるお店では、プライスカードにその食品に使われている特定原材料を明記しているところも増えました。店員はもちろん惣菜ごとにトングを分けているはずです。ホテルの立食などでは、食品ごとの原材料をウェブサイトやファイルで確認できるようにしたり、食物アレルギーがある人には専用のトングを渡して食品を取るよう促すところもあります。いずれもトング経由の混入を可能な限り避ける方法をとっているのでしょう。しかしこの方法も、「店員はトングの使い分けを間違わない」、「患者は誤ってアレルゲンを含むものを触ったりしない」という前提に立っているものです。せっかく使い分けを意識しているお店の方には申し訳ないのですが、対策をしているところでも発症してしまった事例は少なからずあります。トングや菜箸のような小さな接触面からでも、アレルゲンに触れたものを患者が食べれば発症する可能性があることを知っていてください。
認定NPO法人 アトピッ子地球の子ネットワーク赤城智美
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