- 日替わりコラム
Mon
3/10
2025
春を告げる野菜の代表格である「菜の花」は、アブラナ科の植物の黄色い花の総称です。菜の花には、観賞用や菜種油用のナタネ、食用の菜花があり、それぞれ品種が異なります。アブラナ科には、ブロッコリー、カリフラワー、チンゲンサイ、ターサイ、小松菜、キャベツ、白菜などがあり、一般的に流通している食用の菜花の多くは品種改良されたものです。食用の菜花は、花の見ごろを迎える前の2~3月が旬で、若くて柔らかい花茎や葉、つぼみを食します。
「春の皿には苦味を盛れ」と言われますが、これは老廃物が溜まりやすい冬の体を苦みの成分の働きでリセットさせるために、苦みのある食べものを積極的に採り入れようという先人の教えです。菜花にも特有の苦みがありますが、これは植物性アルカロイドという成分です。この成分には、腎臓のろ過機能や肝臓の解毒作用をサポートして、体に溜まった老廃物を体外へ排泄する働きが期待されます。また、抗酸化ビタミンのカロテンやビタミンE、ビタミンCも多く、特にビタミンCは、野菜の中でもトップクラスの含有量です。紫外線が強くなり始めるこの時期には、活性酸素から身を守るためにも積極的に採り入れたい野菜です。茹でることで甘みが出るため、おひたしや和えものにしたり、炒めものや揚げものにしても美味しくいただけます。
管理栄養士/野菜ソムリエプロ篠原絵里佳
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