- 日替わりコラム
Mon
3/17
2025
2024年5月、厚生労働省は「認知症の高齢者は、2025年に約471.6万人になる」と予測しました。こうした中、認知症になったら人生の終わり、自分では何もできなくなる、と思っている人は多くいます。認知症ほど誤解されている病気はありません。
高齢者専門の精神科医として、30年以上医療の現場に携わる和田秀樹氏は、著書『脳と心が一瞬で整うシンプル習慣 60歳から頭はどんどんよくなる』の中で、認知症は誰もが罹患するもの。病気というより老化現象の一つで、高齢により体の機能が衰えるのと同じ、と記しています。和田氏によると、認知症発症後、最初の5年間は、それまでとあまり変わらない生活を続けている人が多いとのこと。問題なのは、認知症とわかると悲観的になり家に閉じこもってしまうことで、もし認知症とわかったら、できるだけ頭と体を使う生活を送り、認知症の進行を遅らせることが大切なのだそうです。さらに和田氏は、一人暮らしをしている人ほど、認知症の症状は進みにくいとも述べています。一人で生活するとさまざまな家事をすることになり、それに伴い頭を使う必要性が生じ、思った以上に脳を働かせることになるからと考えられます。
認知症になっても、できることはたくさんあります。そのことを本人も家族もよく把握し、残存機能を活用し続けていくことが重要です。
介護福祉士中村和彦
全部または一部を無断で複写複製することは、著作権法上での例外を除き、禁じられています
- アクセス